美しいものに触れること、美しく生きること

心が何かを求めているような気がする最近。

癒やしを求めているのか、刺激を求めているのかよく分からないけど、休日は美しいものに触れる時間が多かった気がする。美術館で素敵な絵を観たり、映画を観に行ったり、美味しいものを食べたり。

その中でも私に大きな刺激をくれたのは、

「中原淳一のはじめての、ふろく展。」

休日だったけど朝から仕事の勉強会に参加して、気持ちが満杯のまま、歩いて青山へ。

正直なところ、中原さんの絵を見たことはあったけど予備知識は少ない中で観に行きました。

中原さんの描く少女たちは美しくて、可憐で、どこか惹かれる眼差しをしていて。だけど私は中原さんの生き方や思想であったり、世の少女たちにかけ続けた言葉に心打たれて思わず長居してしまいました。

それいゆの創刊の言葉が飾られていたのだけど、その言葉の重さにハッとした。「私たちの周囲はあまりにもすべてが美しくない」という言葉が当時の壮絶さを物語っているように感じて。

「それいゆ」創刊の言葉より。

野菜の食べ方、肺病に効くお灸といったようなものは、

この「ソレイユ」の編集方針ではない。

私たちの周囲はあまりにすべてが美しくない。

今できること、今着られる服だけをのせていたら、

この「ソレイユ」の存在価値はない。

こんな本はくだらないと言われるかもしれない。

お腹の空いている犬に薔薇の花が何も食欲をそそらないように。

しかし私たちは人間である！！

窓辺に一輪の花を飾るような心で、

この「ソレイユ」を見ていただきたい。

理解を深める為に、今回の展示に合わせたインタビューも読みました。

中原淳一さんの、つよい気持ち。

中原淳一さんの、つよい気持ち。そのクリエイションを支えたもの | 中原淳一✕中原利加子 | ほぼ日刊イトイ新聞

創刊の言葉にもあるこの''一輪の花を飾るような心"というものは「ただ花を飾りなさい」というのではなく、「花を飾ると人の心が潤うということを知っている女性であってほしい」という考え方だそう。なんて素晴らしい考え方なんだろうか、と感銘を受けました。それが根底であり、そこから言葉遣い、思いやりのある心、ヘアメイク、ファッション…と繋がっているんだな、と読めば読み込むほどに理解が深まる。

これを機にもっと中原さんのことを知りたくて、エッセイ集を購入しました。大切にしたい言葉たちが並んでいて、参考にしたい暮らしやファッションも並んでいて、また大事にしたい1冊が増えたように感じます。

私も中原さんの描く女性のように、美しく、優雅で品があり、だけどどこか強さも持ち合わせている、そんな人になりたいと思わせてくれた出会いでした。