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好きなものに溢れた日常の記録

2021年を振り返る

 

今年ももうこんな季節。1年を振り返ります。

 

今年は今まで生きてきた中でも、なかなかに苦しい1年を過ごした気がします。年明けは順調だったけど、春に転勤引越しをしてから今年は運が無いなあなんて思うこと、全てにおいて上手くいかないことが多くて、いつも当たるはずの勘も鈍くなったし、健康が取り柄の私が体調を崩すことも増えたし、気持ちもどんよりする日が続いて、なんだか抜け出せない暗闇の中にいるような感覚。

春先の私は地元に帰ってきた理由や自分が存在している意味を必死に探していて、だけどどうも見つからなくて、これで良いのかなと考えれば考えるほどに抱えきれなくなって、とにかく自分を保つことに精一杯でした。あの頃はとにかく刺激が欲しかったんだろうな。バタバタと忙しいまま東京を離れてしまったからなんだか少し寂しい気もしていて、それを埋めてくれる''何か''を見つけて安心したかったんだと思う。その何かはそんなにすぐ見つけられるはずも無いし、行動しなければ、私の気持ちも伴わなければ見つからないのに、ただただ塞ぎ込んでしまうだけだった。だけどその度にそんな私の姿に気付いて手を差し伸べてくれたり、周りには相談出来る人たちが居てくれたり、過去の私の言葉や経験が気付かせてくれることもあって、なんとか乗り越えられたと思います。あとはただ耐えるだけでは無くて、しっかり行動に移せたことも大きかったと思う。考える時間も多かったけど、今思うとそれは決して無駄な時間では無かったはず。

 

あとは今年、自分が廃れてしまうような感覚を味わって少し怖くなりました。好きなものたちにときめかない期間、疲れや不安から自分の好きなものに手を付けられなくて、次第に興味が薄れてきて、自分の感覚感性が変わっていくことが怖かった。今までの私が好きだった自分を見失っているような気がして、趣味が変わることは特別悪いことでは無いのにそんな自分をどうも認められなかった。東京で過ごした日々は、常に興味のあるものに溢れていて、周りには刺激を与えてくれる人がいたけど、今は色んな物事を自分から求めに行かないと向こうからはやってこない。これは年齢のせいなのか、環境のせいなのか。

以前一郎さんが「25歳を過ぎると、自分が理解できないものを拒絶せずに知ろうとする力が弱くなる」と話していたけど本当にその通りだなと思った。センチメンタルが変わってくる頃だから自分の感覚というものは25歳までに作っておいた方が良い、とこの時話していたのを覚えている。そして、「未来の自分の為に日記を書いた方が良い、見返した時にいつか自分の言葉に救われる」と言っていたことも。

私は考え事をし過ぎて眠れない夜が続いていた時、過去の日記を読み返しました。特にハッとしたのは2年前の日記かな。ここには上京して趣味を楽しんでいた私、一生懸命仕事をしていた私、恋愛に悩んでいた私が並んでいて、なんだか過去の私が愛おしくなって泣いてしまった。だけど内容よりも1番強く感じたことは、私が生きていく上で必要なことは本を読むこと、文章を書くこと。言葉に触れること。その行為をすることでしっかり自分と向き合って、今何に悩んでいて、何が好きで、自分が何をしたいのか、自分の手で書くことではっきりと見えていた。この時、私は自分としっかり向き合えていなかったんだなと気付いた。これは自惚れでもなんでも無くて、ただただ私は自分の書く言葉が好きなんだなと思ったし、気付かせてくれてありがとう、と自分に感謝したのでした。一郎さんの言っていたことは本当だった、自分の言葉に影響を受けられるって幸せなことだと思う。

こうしてまた大好きだった本を読み返したり、1つ1つの瞬間や感情を文章に残すようになって前向きになれたけど、状況にも感情にも波はあるので、あの頃の自分が楽しそうで、羨ましくて、あの頃の私に戻りたいと思ってしまったこともあった。今の私はあの頃の自分を上回れないことに気付いた時は落胆してまた辛くなってしまったけど、これは自分が変化しているんだって受け入れることにした。過去は過去だし、今は今の私であって、今の変わっていく私も、その過程も、まずは自分が認めてあげること。そうすることでまた少し先を見られるようになりました。私は自分のことをもっと許してあげないといけないね。いつだって自分のことを認めてあげられる、素敵な言葉や人に出会えた時に気付ける、素直に感動が出来る、そんな心の余裕は持っていたい。

 

 

ここからは趣味について。

まずは本。冒頭にも書いた通り、探究心が薄れていたので今年はあまり新しい本に手は付けていません。どちらかと言うと、今までの自分を取り戻す為に必死になっていた時期があったので、大好きな本を読み返す時間が多かったです。その時その時で響く言葉は違えど私の好きなものってこれだったな、この言葉は今読んでも美しい、そう感じられることで少し安心出来ていました。

 

今年お迎えした作品はこの5冊のみ。

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「上機嫌な言葉366日/田辺聖子」は田辺さんの過去のエッセイなどから言葉を掬ってまとめた本だから、結婚のこと女であること今の時代と少しずれている内容もあるけど、1日1日大切に読みたい言葉が詰まっていた。特に私は8月の「ロマンチックというのは」の章がとても好き。田辺さんが仰るにロマンチックというのは、人生が一瞬、あけぼの色に、仄明るんでくること、だそうです。

「物語のなかとそと/江國香織」は春に購入してから大好きすぎて何度も何度も読み返した。エッセイと小説が入り混じっていて、読み進めていくうちに江國さんの言葉の世界に入り込んでいて抜け出せなくなっていた、だけどそれがなんとも心地良い。この本の解説として、町屋良平さんが「読み終えたときの自分がどこか粗暴で、勇敢な気分に満ちているというのが、江國香織の最大のすばらしさである。」と書いていらして本当にその通りだと思った。江國さんの本を読むと心が強くなった気がして嬉しくなる。出会ったこの素晴らしい言葉たちを早く私の中に落とし込みたい。

「ダイオウイカは知らないでしょう/西加奈子せきしろ」は東京を離れる時に友人に贈ってもらった本です。短歌の本だから正直今まで触れたことのない世界で、だけど初心者の私にも読みやすかった。西さんせきしろさんお2人の会話が面白くて読みながらクスッと笑ってしまうことも多々。実は本と共に手作りのブックカバーも一緒に贈ってくれたのだけど、綺麗で柔らかいレモンイエローが素敵で、いつも読書のお供になっています。

あとはしいたけさんの本も今年出されたもの2冊購入しました。占いを信じるとか信じないとかでは無くて、しいたけさんの書く言葉は心をほぐしてくれるので好きなんです。いつも辛い時に優しく寄り添ってくれる。しいたけ占いを読むと1週間の心構えが出来るというか、何か起こってしまった時も対処方法を分かっているし、なんとか大丈夫と思わせてくれるから、生きていく上でのアドバイスの1つとして生活に取り入れさせてもらっています。2冊とも後半にエッセイが載っていて、前半はカラー診断があるんだけど、本当に私のことをまんま書いていてとっても面白いです。(ちなみに私は2冊とも茶色。)

 

アート、映画、音楽。

アートは「国立西洋美術館巡回展 山形で考える西洋美術」「ランス美術館コレクション コローから印象派へ」を観に行きました。感染症拡大の影響もあって楽しみにしていたモネの展示はまたまた延期(というより未定になってしまって悲しい)、気になる展示会も東京ばかりで、なかなかアートに触れる機会を作れませんでした。来年こそは観たいものがあればふらっと出掛けられる世界になっていますように。

映画はどちらかと言うと今年も変わらず家で映画を観る方が多かったかも。こっちにはミニシアターが少ないから好きな洋画が上映されることは少なく、映画館には邦画を何作品か観に行ったくらい。あとは大好きなクラシック映画を家で観る日々。好きな映画も少しずつ変わっている気がする。ここ数年はカトリーヌドヌーヴやオードリーヘップバーンが20代だった頃、50〜60年代の雰囲気やファッションがずっと好きだったけど、最近は専ら40年代。(しかも好みの作品の大半は1900〜1910年代を舞台にしたもの)ジュディガーランドが今の憧れなのかもしれないな。ジュディの半生を見ると苦しくなるものばかりだけど、その時代のファッションや髪型を研究するのは本当に楽しい。気分を上げる為に、最近は朝に髪を整えながらメイクをしながら「若草の頃」のサントラを流しています。

音楽は変わらずサカナクションの音楽に救われていて、夏にカネコアヤノちゃんのライブに行けたことはとても大きかったと思う。彼女の生歌からもらえるエネルギーが本当にすごすぎて更に大好きになりました。間違いなく「よすが」は私の中で今年ベストワンのアルバムです。あとはアイドルにハマったこともあってまた違うジャンルも聴き始めたけど、推しがいるだけで少し生活が楽しく感じられるようになって嬉しいな。自分を客観視すると、髪色を変えただけで何でこんなにキャッキャ出来るのだろうと思うけれど、それだけでなんだか幸福感が増すので推しはすごい。来年こそは会えますように。。

お出掛けもあまりしなかったけど、たまに思い立って散歩はしました。桜並木を歩いたり、真夏の炎天下を汗をかきながら歩いたり、落ち葉をふみふみしながら歩いたり、雪の降る静かな夜を転ばないようにと歩いたり。季節を感じることはいつだって私の心を元気にしてくれました。そして地元に戻ってきたことで家族と過ごす時間が増えたことはとても大きくて、より家族からの愛を感じながら過ごせたこと、なんだか幸せだったな。そしてたくさん守ってもらった、私の生活も、私の心も。感謝の気持ちでいっぱいです。

 

ファッション。

価値観が少し変わってきた、というか年齢を重ねると共に服欲が落ち着いてきた。社会人になって数年が経ち、長く着られる質の良いものを手に入れられるようになってきたこともあり、今持っている服で満足感を得られていました。衣替えをして、去年一昨年着ていたものを見た時に''今見ても素敵!''とときめきを感じられているのはとても良いこと。一生大切にしたい服が増えているのは素晴らしいこと。

だけどそれと共にあんなに楽しんでいたファッションに興味が薄れた時期がありました。原因はなんとなく分かっていたけど、その時点ではもうどうにも出来なくて、とりあえずその手持ちの服で良いやと数着をずっと着回していたり、自分のアイデンティティとしていた赤髪をやめてしまったり、私の好きだった時間、休日に服を見に行くという行為もしなくなってしまいました。見て見ぬふりをしていたけど、気付いた時は少し悲しかった。だけど引越しをして、クローゼットが広くなり、気持ちも晴れやかになった時に急にお店の服が全部欲しくなってきて、これを着て出掛けたい!なんてまた空想をするようになってきて、服欲が落ち着いている自分は保ちつつも気持ちは過去の私に戻ってきた気がします。特に秋冬はファッションを楽しめました。というのも過去の記事にも書いたけど、ジュディガーランド主演の作品を観まくっていたのでクラシックな装いがしたくてしたくて、たまらなくなったのでした。レトロなお洋服を身に纏って楽しんでいる赤髪ロングの私が、本来の私なのだと思います。これを来年も貫いていきます。

 

仕事のこと、

疲労が溜まっている年末なので、ここに労力をかけられる自信がない。気が向いたら付け足します。。

 

恋愛のこと、

いつも恋愛について書いているけど、特に必要がない気がしてきた、けど私の中での考え方は変化しているからその記録として残します。

今年の大きな変化としては、私の中で異性に対しての「会いたい」と思う気持ちは全て恋愛感情だと思っていたけれど、全てそうではないと気付けたこと。この2年間、胸に詰まっていたものがするりと抜けて気持ちがやっと楽になれた気がした。ふと会いたいなと思うことは決して悪いことではなくて、自然と無為に湧き起こること。むしろ、そう思える人がいることは幸せなこと。

自分の人生について考える機会は去年より増えたけど、どうしたいのかなんて分からないし、分かろうとしたくない自分がいることには気付いてきているから、素直になる日までまだまだゆっくりと待つ。

 

 

こんな感じかな。

忙しい中でもなんとか振り返られて良かった。2021年の私は本当にほんとうに頑張ったと思う。こう振り返ると、私は大分元気になったと思うし、生活を楽しめている気がする。来年もなんとか生きていけそうな気がします。

今年の苦しさを乗り越えられた私は、来年少しでも良い方向に進めますように。